八尾坂道 風の盆

愛のかけらか 涙のつぶか
八尾坂道 音のまち
踊り明かした 女のゆかた
燃えたままでは しまえない
愛を誓った あの人を
忘れ 忘れさせてよ 風の盆

かぶる編笠 薄口紅(べに)ひいて
胸はあなたの ことばかり
そっと重ねた 唇さえも
月の灯りに ふるえてた
故郷(さと)をはなれて あの人は
どこで どこで踊るか 風の盆

ひとりおわらに とり残されて
越中八尾の 夜がふける
窓にしんしん 胡弓が泣いて
夢でぼんぼり ゆれている
枕ぬらして 踊るのは
呼んで 呼んで帰らぬ 風の盆
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