ふり袖小僧

おいらはふり袖小僧
咲いたやくざな花さ
江戸の町に夜が来れば
こっちのもんだよ
おいらの檜舞台だよ
高い屋根から屋根へ 度胸一つで渡る
ちょいとそこの腰抜けの
目明かしさん
おう おう おう
十手がこわくて 渡れるかい

おいらはふり袖小僧
ひびく呼び子の中で
狙う相手は何万石だよ
御用御用は
おやすい御用だここまでおいで
ぽんと身軽にとべば ゆれる高張提灯
女だてらの荒業と
あなどるまいぞ
おう おう おう
地獄にゃ二丁目 ないところ

おいらはふり袖小僧
義理と人情にゃもろい
人のためなら生命はいらぬ
貧乏人や
かよわい者の味方だよ
脱いだ振袖模様 かぶる紫頭巾
花のお江戸の立ち姿
はばかりながら
おう おう おう
ふり袖小僧は 義賊だよ
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