月花

風に烟る月の
光に揺らめく
姿を化す花は
水鏡に映ろう

聘えど仮初めなら
千代への糸を紡ぎ
人ならぬその身を
永久に咲けと祈る

唯 想いは清かに肌を染めて
散り初む命の 定めと知る
溢るる泪の 雫に揺れ
露の恋に 散るひとひら

禁めの恋ならば
其の手に手折られ
後世に二重にと
月読に乞い願う

躯は満つる闇に
花へと還ろうとも
此の腕を柩に
夜を裂いて詠う

唯 想いは清かに肌を染めて
散り初む命の 定めと知る
溢るる泪の 雫に揺れ
露の恋に 散るひとひら

唯 想いは清かに肌を染めて
散り初む命の 定めと知る
溢るる泪の 雫に揺れ
露の恋に 焦がれ消ゆるとも

弓張の月が 円む様に
散り逝く命が廻るのなら
朝明に水沼の 畔に咲き
巡り逢える今一度
×