俺ひとり

空のカンビールを片手で潰してさ
壁に叩き付けた
今もドアの音が耳に残っている
走ってくヒールの音も
お前の居なくなった部屋は
こんなに冷たい

いつものバーボンを一人で飲んでいる
今夜は酔えないまずい酒
隣でマニキュアを塗りながらお前は
グラスに注いでくれたね
今頃どうしているか考えたら
泣けてきた

街ですれちがった髪の長い女
お前と同じにおいさせて
軽い目眩の中 俺は夢を見てた
寄りそうお前と俺の
気付けば人ごみの中に佇んだ俺一人
×