文車に燃ゆ恋文

募る想いが今宵も
恋の雫を睫毛の先で
薄く溶かした墨にて
筆を繰り綴ることには

嗚呼 愛しやな
嗚呼 切なやな

文車に乗せた恋の便りは
届くことも無く 塵へと還る
文車に乗せた恋の便りは
打ち捨てられて くれなゐに燃ゆ

心乱れて落つるは
泪の色の恨みつらみよ
吟ずる詩歌は夜想の
叶わぬ恋の鎮魂歌かな

嗚呼 恋しやな
嗚呼 侘しやな
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