涙のイヤリング

改札で手を振ってから 今日も連絡はない
またねって言ってくれたのは 優しさだったのね

恋するふたりの彫刻も カンナで削られていった
すぐに会えますように わざと置いていった忘れもの

涙のイヤリング 戻ってくるのかしらん
離ればなれの片方を 天の川にたくしてね
帰らぬイヤリング

祭りの笛吹く 商店街歩いても
夢ごこちなの 誰彼もあなたに見えるくらい

おもたい眠気の向こうに 笹の葉が揺れているなら
覚めてくれなくていい 銀河のほとりで待っているよ

涙のイヤリング 戻らなくていいから
あなたに会えるようにと 短冊に願ったよ
片方しかない 涙のイヤリング
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