貴船の宿

はじめから
身丈に合わない 恋ですが
結べる縁(えにし)は ありますか
雨をあつめて 流れる川と
たぎる心は 拒(こば)めない
京都 北山 ――
時雨かなしい 貴船の宿

逢うたびに
抱かれてしまえば 負けてゆく
つもった恨みも 望みさえ
月の光に さらした肌を
責めているよな 小夜あらし
京都 草風呂 ――
髪も冷たい 貴船の宿

何処までも
九十九(つづら)に折れてく 木の根みち
ふたりの明日に 似てますね
風に打たれて 添えない恋が
落ちて点々 紅椿
京都 朝霧 ――
夢もおぼろな 貴船の宿
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