さすらいの罪人

肉弾相撃つあの時は
西暦一九四五年
我は眠りぬ永遠に

償いきれぬあの罪は
五百万人皆殺し
冷き歴史に裁かれて
死出の旅路を誰一人

我は召されぬイェルサレム
エホヴァの神ののたもうに
死して生まれよ今一度

聖なる母に宿されて
姿を変えて甦える
デンデン太鼓に簫の笛
いつしか二十の春となる

天つ方より下る声
神のお告げと知るままに
我家捨てて国を去り
果てなき旅を一人行く

流浪の果ての気の迷い
はたまたあわれ身の運命
汚れなき胸ふとよぎる
悪夢にはたとひざまづく

汝さすらいの罪人
罪を犯すは永遠の運命なり
畏き神の御裁きに
再び追われさすらいの
死出の旅路を誰一人

肉弾相撃つあの時は
西暦一九四五年
斯くもか弱き罪人に
忌まわしき時が甦える

肉弾相撃つあの時は
西暦一九四五年……
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