山の吊橋

山の吊橋ゃ どなたが通る
せがれなくした 鉄砲うちが
話相手の 犬つれて
熊の親父を みやげにすると
鉄砲ひとなで して通る
ホレ ユーラユラ

山の吊橋ゃ どなたが通る
遠い都へ はなれた人を
そっとしのびに 村むすめ
谷の潮音が 心にしむか
涙ひとふき して通る
ホレ ユーラユラ

山の吊橋ゃ どなたが通る
酒が切れたか 背中を丸め
呑んべェ炭やき いそぎ足
月をたよりに 枯葉のように
くしゃみつづけて して通る
ホレ ユーラユラ
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