泣きたくならないように

たとえば小さなワガママも 決してきいてはくれなかった
突然不機嫌になって 黙りこんだこともあった

駄目になってきっと良かったと 友達に云われるそのたびに
最初から合わなかったから なんてほほえんで

泣きたくならないように 忘れてしまえるように
大好きだった笑顔が 遠くにゆくように

あんな言葉で傷つけられた あんな仕草が許せなかった
さびしさやすれ違いの 記憶ばかり並べて

思い出わざと汚してゆけば 今だけは楽でいられるから
明日は哀しみに 追いつかれると 知っていても

ひさしぶりに袖を通した 真っ白なシャツの衿元は
誕生日にあなたがくれた 香水がかすかに香ってた

あの時歩いた坂道で つないだ手と手のぬくもりを
ずっと忘れずいられたら やさしくできたのに

何もかもが違っても それでいいと思ってた
ただとなりに居られたら なんにもいらないと

あんなにわたし傷つけられた あなたのことが許せなかった
さびしさやすれ違いの 記憶ばかり並べて

思い出わざと汚してくほど たしかな幸せの瞬間が
どんどんあふれだして 今も告げる「愛してた」と

泣きたくならないように 忘れてしまえるように
大好きだった笑顔が 遠くにゆくように

あんな言葉で傷つけられた あんな仕草が許せなかった
さびしさやすれ違いの 記憶ばかり並べて

思い出わざと汚してゆけば 今だけは楽でいられるから
明日は哀しみに 追いつかれると 知っていても
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