枯れ葦小唄

風にさんさら 葦が鳴る
ともに俺らも 枯れる葦
なまじ情に 棹さして
泣いて流れるよう
これが運命(さだめ)か 川育ち

水に写した 角(つの)かくし
それが別れの しるしかよ
どうせ嫁いで 行くのなら
なぜに俺らのよう
舟に涙を 置いて行く

月にしょんぼり 枯れ落ちる
葦も俺らも すたれもの
せめてあの娘の 便りなど
棹にたぐってよう
舟をささえに 生きるのさ
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