十九の春

ながす涙も 輝(かがや)きみちし
あわれ十九の 春よ春
菫(すみれ)つみつつ 散(ち)る白露(しらつゆ)に
泣きし十九の 春よ春

君はやさしく 涙は甘く
唄をうたえば 花散(はなち)りぬ
乙女振袖(おとめふりそで) ゆく白雲(しらくも)も
われを眺(なが)めて 流れ行く

我世(わがよ)さみしと 嘆(なげ)くな小鳥(ことり)
春はまたくる 花も咲く
愛(あい)の光に 夜はほのぼのと
明(あ)けて十九の 春よ春
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