なみだ海峡

雨に未練が 姿を変えて
海に心に 降りしきる
恋は女の さだめと同じ
なんで命を 惜しむでしょう
あなた あなたのさよならだけが
今も聞こえる なみだ海峡

夜明け間近の 窓打つ雨音(おと)が
夢の中でも すすり泣く
胸に抱かれた ぬくもりさえも
思い出せない 岬宿
あなた あなたへ戻れぬ海鳥(とり)は
濡れたつばさの なみだ海峡

沖の漁り火 いつしか消えて
ひとりぼっちの 朝が来る
どこへ着くのか 悲しみ連れて
過去を断ち切る この旅路
あなた あなたを呼ぶ声さえも
波がかき消す なみだ海峡
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