一筆しめし参らせ候

一筆しめし参らせ候

そなたの去った 長崎は
恋のむくろの 港街
暮れて出島に 灯る燈(ひ)も
泣いているよに 泣いているよに
あゝ うるみ候

そなたと聞いた 浦上の
鐘が消えゆく 夜の空
燃える想いを とどけてと
サンタマリヤに サンタマリヤに
あゝ 祈り候

そなたを呼べば 丸山に
今日も降る降る 涙霧
せめて愛(いと)しい 面影を
抱いてあきらめ 抱いてあきらめ
あゝ 暮し候

あらあらかしこ
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