キミがまた歌いたくなる頃に。

夕陽が据える音楽室
ピアノに腰掛ける妖
邪魔をする風には見えないか
二人の歌が始まった

鍵盤叩くハッピーいつも孤独な演奏会 最高さ
一人一人教壇上がっていく公開処刑 最悪さ

ああやっぱり歌は嫌いだ
居残り決定 再テスト
無言で足をブラつかせてオマエは素知らぬ顔
二度目の試練イントロが流れた

初めて聴くオマエの歌
あまりにキレイで泣きそうだ
重ねようヘタクソなりの歌
必死な形相の不協和音の隣涼しい顔してやがる
でも言っただろ?歌いたくないんだ

馬鹿にされた歌声を鍵をして閉じ込めた
笑いものにされた過去も
投げ捨てたはずのそれをオマエがどうして持ってんだ
もう 開けないでくれよ

慣れない教壇浴びる視線
締まる喉に唾を飲む
無言で足をブラつかせてオマエは素知らぬ顔

幾度目か試練は乗り越えられそうだ
「もう大丈夫」

何度も聴いたオマエの歌
あまりにキレイで消えそうだ
重なって一つになった歌
さあ恐れるな一人で進んだ先に広がる煌々たる世界
もう歩けるが隣が寂しい
背中を押したのは誰だっけ
だから言ったろ?歌いたくないんだ
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