哀しみのバザール

路地裏で買った安物の
青いトルコ石の指輪には
無理に削られたイニシャル
誰かの愛の古い傷跡

降りそそぐ 陽ざしの街角には
日曜日のバザールが立ち並び
思い出も明日の夢も
埃にまみれていきそう

追いかけりゃ逃げる影のような
夢を追いかけてこの街に
なぜか懐かしいさびしさを
抱きしめながら歩いてみたよ

芝居をやろう調子の外れかけた
音楽やバザールのざわめきが
愛のない男の胸に
虚ろなさざなみのよう
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