都会

夕暮れの街角で 人込みに紛れたら
わたしのちっぽけな 悲しみのありかなど
笑い声や音楽や 車の音にかき消され
まるで嘘みたいだとショーウインドウが歪む
それでも涙はちゃんと流れてきて
やり場のない孤独が どっと押し寄せてくる

愛のない優しさは 酔わないアルコール
にぎりしめていたはずの 夢は
傷つきやすい 胸に降りつもり
いくつものちいさな 砂漠をつくる
ブルースが聞こえた 少年の頃のように
見えない扉を なんども押すしぐさ
×