ナチュラル

検討はずれな馬鹿者だけが
愛を知り 転んだ
書きかけの人生だけは
体温調整が定まらないまま火ぶたを切り落とし
ないものねだりを置きにくる

半信半疑のスーサイダー
忘れた名前を
片手で迎えにくる

ここで枯らす声があり
今歌うべき歌があり
張りつめた夢の真ん中で
なんか泣きそうだな

絞り出しちゃって
空になっちゃって
誰も溶け合わない心臓
「くれてやるものですか」と
正論の煮え湯に浸かって
爛れた皮膚を剥いだ

震える喉で
歌って行く
宙を攫った 怒りだけ置いて
何度だって嘘みたいな言葉で
私だけが紡いだ芽を晴らすまで

ここで枯らす声があり
今歌うべき歌があり
張りつめた夢の真ん中で
何回も帰る場所だから
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