平次八百八町の唄

好きも嫌いも 胸三寸に
うかといえない 男のこころ
花の大江戸 八百八町
仇な浮世の 風が吹く

かけた謎なら 思案で解(と)ける
なんと解こうか あの娘の素振り
恋の投げ銭 狙いはひとつ
かわいけりゃこそ 夢に見る

影か柳か 呼子(よびこ)がさわぐ
月もおぼろの 大川づたい
腰の朱房を 夜風に吹かせ
ひとり苦労の 苦笑い
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