旅姿勘太郎

風の吹きよで 塒が変わる
気まま暮しの 身は旅がらす
うかと惚れまい 他国の涯で
どうせひと夜の 泣き別れ

なまじ情が 心に沁みて
つきぬ思いは 有明月夜
道は追分 戻ろか行こか
笠でかくした 未練顔

逢うて別れて いつまた逢える
夢もしがない 旅人渡世
愛(いと)しけりゃこそ 後見ぬものを
呼ぶな浅間の 閑古鳥
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