愛しすぎる女

扉が開(あ)くたびに 夜の気配流れ込む
背中で聞いているの あなたの気配 遠い声
さよなら言う前に 何か言い忘れたような
グラスに浮かべてみた 言葉何杯も飲み干す

愛しすぎる人は 愛されないものだわ
重いコート脱ぐように
あの日あなた部屋を出て行った

いつまでこんな場所で 想い出という幻たちを
追いかけてるのかしら

私が二番目にほしいものをくれた人
孤独な夜の背中 静かに抱いてくれた人

夜明けのコーヒーで 女たちは夢見る
優しい嘘にさえも
愛を見つけて生きていけるの

扉はもう開(あ)かない
あの頃よりも 元気だったと
彼が来たら伝えて

届かない愛ほど 輝いて見えるもの
会いたくても叶わない 涙が心に火をつける

扉をもう開(あ)けない
明日は別の風に吹かれて
別々の夢を見る
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