表裏の傷痕

踏み入れた木々の中
裏表は側にある
心配は要らないさ、
日が暮れる、帰りなよ。

傷付いた足の裏
泣く少女に夜は来る
…止めないさ?
本気なら
この右手を貸してやろう。

アダムとイブが
口にした林檎
その瞬間世界は、
大きな悲鳴をあげる
過去の世界は
今を見て泣いた。
花も木も

残酷だった

ああ
強く生きていけなかった
あの子は

記憶にそっと残すから

ああ
この腕で泣いていた
虫の声

記憶にそっと残すから

君の声も
君の匂いも
君の息も
君の温度も
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