三州しぐれ

昔 恋しい 想い出抱いて
けむる小雨の 屋敷まち
ひとり訪ねる 香嵐渓(こうらんけい)は
泣いているよな 紅(べに)もみじ
三州 足助(あすけ)は しぐれ道

窓にあなたの 面影うかべ
暮れて淋しい 矢作川
いで湯ばやしが 瀬音にむせび
胸に切なく 沁みてくる
三州 笹戸は しぐれ宿

山の夜明けは 緑に映えて
香る笹百合 朝霧に
夢を追いかけ 三河湖越えりゃ
たどる下山 保殿(ほど)の滝
三州峠は しぐれ道
×