十和田の女よ

残雪のこる 北の湖(みずうみ)で
運命(さだめ)みたいに 出逢った君よ
星の降るよな 湖畔の宿で
いのち燃やした 恋花火
青き水面(みなも)に 微笑みゆれる
ああ 十和田の女(ひと)よ

むらさき煙る 湖水(みず)のたそがれは
淋(さび)しすぎると この腕(て)で泣いた
年齢(とし)も名前も 知らないけれど
理由(わけ)のありそな あの指環
時は過ぎても 忘れはしない
ああ 十和田の女(ひと)よ

ふたたび逢えぬ 君の倖せを
ひとり祈ろう 乙女の像に
いつかふたりで 暮らせたならば
そんな言葉も 遠い夢
雲の彼方に 面影うかぶ
ああ 十和田の女(ひと)よ
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