うたかたの恋

山の煙よ さようなら
いで湯の里よ さようなら
君をはるばる 訪ね来て
むなしく帰る 波の上

ひとり掛けてる 藤椅子の
冷え冷え淋しい 白い船
瀬戸の夕陽に また鳴らす
未練の汽笛 誰が聞く

恋のいのちの はかなさは
波間に消ゆる うたかたか
泣いて涙で かき流す
一夜の 花の名よ
×