砂漠の泥酔

畑も倒され 家も倒され
ボコボコの道だけが残つている
僕は酒に酔って町から帰るのだ
何処か遠いところにでも月が出ているんだろう
夢のような明るさだ
酔ってればこそかな

風のない夜の砂漠
オアシスの木の根で
鼻ッ垂らしの豚がなく
泥酔だ
だが、僕はまだ歩いてるよ
砂にまるかって眠るか
ああ、僕の体は
寒いのか暖(あったか)いのかわからない
飛び出した口笛
すぐ消えた
お星様さえ眠ってござる

いつまで歩いたっても
ボコボコの道だけが眠つている
僕の酔いはもう醒めてる
この道の端(はず)れに
明日があるのかいないのかい?
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