おんなの石北線

あなたは札幌へ
わたしは 遠軽(えんがる)へ
となり合わせの ホームでも
二度と逢わない 仲もある
五分おくれの あなたを残し
網走ゆきが すべり込む
あゝおんなの おんなの石北線

いまごろ 結ばれた
運命の いたずらか
一と夜かわした 夢の間を
罪というなら それもいい
湯の香ただよう 天人峡は
しぐれて遥か 雪模様
あゝおんなの おんなの石北線

あなたの 面影を
窓辺に 座らせる
せめてふたりで まぼろしの
旅をこのまま 続けたい
闇をひき裂く 涙の汽笛
北斗の星も 揺れている
あゝおんなの おんなの石北線
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