嫁泣き岬

はれて夫婦の 契りもせずに
三日三晩を のみ明かし
ゆくぜと錨を あげたひと
海の男の あなたのために
こころ清めて 新妻が
船を見送る 嫁泣き岬

小町むすめと 言われたわたし
弁天祭で 見そめられ
漁師の女房に なりました
ご無事祈って 水神さまへ
きょうがおんなの 初仕事
両手合わせる 嫁泣き岬

俺のいのちは おまえのいのち
耳にのこした その声が
今夜もわたしを 熱くする
大漁みやげの 旗なびかせて
つよいあなたが 帰るまで
わたし泣かない 嫁泣き岬
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