トワイライト・パームビーチ

季節は変わり 遠ざかる潮風の残り香
気の向くままに 外は少し冷えて

ふたり別れ際 いい忘れた言葉も波間に
車を止めたら あるいてみるわ風景を重ねて

飛行機雲なぞり どこまでゆけるかしら
あの人の所へ 私を連れて行って

揺れる髪 閉じる瞳 誘う潮騒へ
戻らない日々なら 冷たい夜風が新たな季節を

ミラーシェイド越しに映る 不機嫌そうなその笑顔も
ねぇどうして 私は強がりばかりで
あなたから離れてしまうの

雲の切れ間を柔らかくぼやかす 波のむこうへ
気のないセリフ 海風がさらって

ふたり見つめ合う その一瞬にさえも心は
走り出すのよ 悲しいくらい愁いを残して

飛行機雲かすめ どこまでゆけるかしら
あの人は今でも私と笑ってくれる?

触れる肩 絡ます指 揺らめく水面へ
忘れられないなら 涙滲ます夕闇にゆだねて

ウィンドウ滴に浮かぶ 幼く勝手なあの横顔
ねぇこうして未だに欲しがるばかりの
私はきっとこの空の虜ね
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