銀の鎖

蒼ざめた街角を歩けば夜明け
身軽なけだるさに思い出がある
そうよ
遅すぎをとがめだてする人もいない
あなたと別れてから
風の便りだけ何となく届く
うまくいってると聞いたところよ
いつだかあなたとすれ違った日も
とてもしあわせな人に見えたわ

あなたから贈られたあの腕時計
別れにはずしたら元のもくあみ
ごめん
寝たいだけ寝たりして勝手気ままに
時間のない暮しよ
あんなに欲しいと願った自由も
ありすぎてみると味気ないのね
居留守にしてても不機嫌なあなた
だから遊ぶのもひかえたものよ

さよならの潮時をいいだしたのは
確かに私だし悔まないけど
たまに
あの鎖 手ごたえもよかったなんて
あなたと別れてから……
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