黄昏のベンチ

私の胸の中には
少し古いベンチがあって
座ってるそれはあなた
ほほ笑みもそのまま

あの夜とつぜん鳴った
電話のベルその瞬間に
倖せも夢の先も
風に消えた

生きることさえやめようと
本気で決めて
あれからいく年
涙枯れないけれど

もういい思い出だけで
抱かれなくても逢えなくても
心のベンチに今も
そうあなたがいればいいの……

ずいぶん泣かされたっけ
でもそのあと口づけされて
身体ごと波を打って
海になった

もしも人生がもう一度
許されるなら
迷わずあなたを
探してみせるきっと

もういい思い出だけで
抱かれなくても逢えなくても
心のベンチに今も
そうあなたがいればいいの……

気づけば私を包む
なんてきれいな黄昏でしょう
あなたの住む星空へ
さあ私をつれていって
黄昏のベンチに呼んで……
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