君は薔薇より美しい

息をきらし 胸をおさえて
久しぶりねと 君が笑う
ばかだね そんなに急ぐなんて
うっすら汗までかいて

なぜか今日は 君が欲しいよ
違う女と 逢ったみたいだ
身体にまとった かげりを脱ぎすて
かすかに色づく口唇

目にみえない翼ひろげて
確かに君は変った

歩くほどに踊るほどに
ふざけながら じらしながら
薔薇より美しい
ああ 君は変った

愛の日々と 呼べるほどには
心は何も 知っていない
いつでも抱きしめ 急ぐばかり
見つめることさえ忘れ

笑いながら 風を追いかけ
君に誘われ 行ってみよう
だました男が だまされる時
はじめて女を知るのか

目に見えない翼ひろげて
静かに君は変った

走るほどに笑うほどに
夢みながら 愛しながら
薔薇より美しい
ああ 君は変った
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