母ありて

故郷(くに)を発つ日に おふくろが
そっと持たせた 苦労のお金
かえしきれない その恩を
どこで返せば いいのやら
酔えば聞こえる あぁ‥母の声

華も飾れぬ 人生に
夜が淋しさ また連れてくる
元気だせよと 浮かぶのは
夕陽・潮風 友の顔
酔えばあの日に あぁ‥母の愛

めくる暦の 数いくつ
帰ろ帰ろと 都会の隅で
かけた苦労を 詫びながら
忘れられない 忘れない
酔えばしみじみ あぁ‥母ごころ
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