あなたの行く朝

いつの間にか夜が明ける 遠くの空に
窓をあけて朝の息吹を この胸に抱きしめる
あなたの行く朝の この風の冷たさ
私は忘れない いつまでも

もしもあなたが見知らぬ国で 生きていくなら
その街の風のにおいを 私に伝えておくれ
あなたのまなざしの はりつめた想いを
私は忘れない いつまでも

海の色がかわり 肌の色がかわっても
生きていく人の姿にかわりはないと
あなたはいったけれど
あの晩好きなうたを 次から次へとうたいながら
あなたが泣いていたのを 私は知っている
生まれた街を愛し 育った家を愛し
ちっぽけな酒場や ほこりにまみれた部屋を愛し
兄弟たちを愛したあなたを 私は知っている

いつかあなたが見知らぬ国を 愛しはじめて
この街の風のにおいを 忘れていく日が来ても
あなたの行く朝の 別れのあたたかさ
私は忘れない いつまでも
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