寓話。

甘い声で
添い寝をして
古い絵本
読みあげてよ
笑わないで
あのお話の
お姫様は 私なの

明けた空は
優しすぎて
強い風よ どうか動いて

抱いて 壊すように抱いて
息を奪うほど
たとえ守りぬいても ああ
いつか虹は消えてしまうから

切ないのは
幼い手で
握り締めた
お願いごと
届けられた
愛の手紙は
昔話に変わるの?

雪が溶けて
春が咲けば
夏を殺し 秋が生まれた

抱いて 壊すように抱いて
息を奪うほど
たとえ守りぬいても ああ
いつか虹は消えてしまうから

遥か流れていく
白い雲が染まるころ
抱いて 壊すように抱いて
いっそ飛べない鳥だったなら
ママの涙 パパの怒り
そして 覚えていた
血まみれのまま
爛れた羽根を
裂き合う前に
そっと 消えてしまえばいい

だけど 忘れないで
わたしを 忘れないで
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