私のかなしみ

勿論 いきなり行ったのです
小雨に シャツまで 濡れたけど
ドアのベルを 押しました
別れから 日がたつにつれて
わたしは あなたに
抱かれる夢みるばかり
ともかく 自分を いじめるように
ムダだと知りつつ ひと目だけでも

勿論 始めてだったのです
一から十まで教えられ
女ひとり 作られた
叱られて やさしくされて
わたしは 何でも
云われた通り 暮らした
ともかく 体を いじめるように
慣れないお酒も おぼえた この頃

勿論 当然だったのです
「帰れ」と云われて 立ちすくむ
傘をかして くれました
部屋からは レコードきこえて
誰れかの 気配に
胸がしめつけられた
ともかく 心を いじめるように
あなたの名前を も一度 呼んだの
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