水の消息

霧雨にラブソディ 流れてるガーシュイン
見上げた窓によぎる 抱擁の幻想

低く 飛ぶ鳥のはばたき
水を含んで鈍い動き
ミラーの折れた ワゴンに止まる

あのひとの消息も 途切れそうな街で
ホテルのマッチ湿り 肩越し投げ捨てる

遠く 煙る港の船
絵の具が流れて溶けたよう
俺もこのまま 消えていきそう

イニシャル入りの便箋に
青くにじんだ走り書き
すべて つい昨日

水に 覆われた街並
愛の痕跡をすくっても
俺もこのまま 消えていきそう

霧雨からのがれて ホテルのドア開ける
鏡に映す顔に 思い出もゆがんで
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