亜矢子の湖

青空にはばたいて どこへ行く白鳥よ
私にもその翼 貸してくれないか
短いけれど 幸福な
命の恋は終ったの
亜矢子 亜矢子 亜矢子はひとりよ
たそがれの湖に 影が泣いている

浮き雲のまたひとつ あの人の顔になる
いとしさを哀しさを どこへ捨てようか
せめても一度 逢えたなら
やさしい言葉 聞きたいの
亜矢子 亜矢子 亜矢子はひとりよ
あの人の思い出が 今も生きている

あの人がもどるまで 湖のこのほとり
赤い血が燃えるよな 花で咲いている
わがままばかり お母さん
ごめんなさいね さようなら
亜矢子 亜矢子 亜矢子はひとりよ
思い出を抱きしめて 波に消えてゆく
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