北国のひと

私の命は あなたの命
旅立つ駅で ないた女(ひと)
ベルに消された あの声を
心にきざむ 忘れない
霧の釧路と みぞれの東京
今夜はどっちが 寒いだろ…

濃いめの水割り 飲みほしながら
凍(しば)れる胸を あたためる
こんな夜には 淋しげに
背中をまるめ 眠るのか
思いつめるな 身体をこわすな
星降る夜汽車で 逢いにゆく…

命で結んだ この恋だから
必ず帰る 君のもと
他人だらけの 東京で
はるかに霧笛 聞いている
北の釧路で 春を待つ女(ひと)の
今夜も浮かぶよ 面影が…
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