11月のソフィア

夕暮れの学生通り
いつもの喫茶店
最後の授業が終るまで
あなたを待っていた あの頃

キャンパスの白いゲートを
ここから見ていると
今にもあなたが駆け込んできそうな
カップ一つの 窓際

通りすぎた恋を 振り向いてしまう
もの静かな季節

11月のソフィア
枯葉色に褪せてゆくメモリー
11月のソフィア
チャペルの鐘聴けば 瞳も揺れる

初めてのキスを許した
去年のクリスマス
ダンスパーティーのその後で
左の指に贈られた カレッジリング

素敵だった時を 忘れられるほど
遠くはない季節

11月のソフィア
並木道に恋人の二人
11月のソフィア
遠まわりして帰るわ あの日のように

11月のソフィア
あれから止まったままの時計
11月のソフィア
チャペルの鐘響けば 瞳も揺れる
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