まつり(祭)

おさな子の 手にくるくると 風車(かざぐるま)
まつりに急げ 転ばぬように
手土産を かかえておりる 人の群れ
花火の音に ふりあおぐ人

ふるさとの まつりを不意に 思い出し
汽車を遅らせ しばし眺むる
見上げれば あかねに燃える 鰯雲
赤いとんぼが スイと横切る

まつりが あったなら 心にあったなら
あすなろう… あすなろう…
ああ ああ…

締込みが きりりと光る 若者の
肌に染まれば 日も昏れかかる
人波を 蹴立てるように 行く御輿
やんや やんやの 声も懐かし

人の世は まつりと同じ にぎわいの
陰にひっそり 暗がりもあり
声かけて みる人もない ふるさとの
まつりは赤い 炎に見える

まつりが あったなら 心にあったなら
あすなろう… あすなろう…
ああ ああ…

まつりが あったなら 心にあったなら
あすなろう… あすなろう…
ああ ああ…
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