しあわせのレシピ

ビター過ぎるこの展開 いつのまにかひとり
焦げ付いた鍋底のぞけば
真っ黒な未来がこっち見て嗤う

料理はいつも目分量でどうにかなった
美味しい! と言ってくれる優しいあなたもいた

甘い生活にスパイスを足して
ひと味も ふた味も違う
二人になれるはず だった

ビター過ぎるこの展開 いつのまにかひとり
焦げ付いた鍋底のぞけば
真っ黒な未来がこっち見て嗤う

部屋中に散らばった しあわせの亡骸を
途方に暮れ眺めた 心当たりもなくはない

ここで落ち込んで オンナ捨てても
怠惰に素直なお肌で
日々は続いていくだけ

ビタースウィート でも生きてく 久しぶりに自炊
冷たいキッチン 座って
ひとくち齧ったら 苦い にがーい

ここから はじめる しあわせのレシピを
おざなりはやめて少し丁寧に暮らそう
開くと溢れて 捨てられない思い出も
抱きしめて そうっと次のページめくるの

ビタースウィートな生活 誰もが皆ひとり
できたては美味しくて 冷めてからが大事
ビター過ぎるこの展開 いつのまにかひとり
焦げ付いた鍋底みがいて また新しい私に出会う
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