モンスターのかくれんぼ

ブラインドの隙間から覗き込む
この狭苦しい街に潜む
大きなモンスター

ビルの下に居ることも
花屋のバケツの中にだって
姿を変えてかくれんぼ

役に立たないこの爪を
切り落として考えた
愛する人も抱けないのかい?
何故僕は生まれたんだっけ
愛する人も抱けないのに…

ラジオに飛び込んだニュースの内容は
「美しい街に生きる汚いモンスター」

人を襲ったんだとさ
そいつは醜い姿で泣き叫びながら
「まだだよ」

力の加減も知らぬほど
一人で生きてきた
愛されたこともなかったのかい?
何故僕は泣いているんだっけ
悲しみなんて慣れっこなのに

ずっとわからなかったんだ
だけど何だか苦しいよ
ねぇ僕の涙の色は綺麗な色をしてる?

役に立たなかったこの爪も
小さな花なら摘まめるよ
大きな花束腕いっぱいに
抱きかかえたまま潜んでる
「もぅいいかい?もぅいいかい?」小さな声で呼ぶ君に…

大嫌いだったこの爪 握りしめて
問いかけた
このまま知れるはず無いよね
何故僕が生まれたのかなんて
愛してみようともしてないのに

小さな望みをたくして
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