天真爛漫高襟姫

ぼんやり 月夜に洋酒呷って
まったり月見酒
街灯点灯キラキラ街は光って
蛍火畑のさながらで

行進邁進 異国の兵隊さんは
ラッパをパッパラ吹き鳴らし
折衷熱中 髷なら切り捨て御免
文明開化の音を聞け

あゝ真っ赤な靴を履いて
あゝ繁華な街を抜けて
あゝタッタラ君は駆ける
其の一寸先も見えぬ世で

ほら

うるさいしがらみ取り払って
知らない新たを身に纏って
あの娘は天真爛漫這高襟姫
あっちもこっちも皆々振り向きゃ

再三散々 受け取る恋の文は
バッグに丸々押し込んで
恋々 男と女の色恋なんて
天運任せの花合わせ

あゝ遠くの故郷を想い
あゝ東京で見る夢は
あゝもっぱら君のことで
又巡り巡る頭のうえ

ほら

しがないこの世を怨んだって
しゃあない何にもなりゃしないね
踊り踊るるあの娘も高襟姫
怨みつらみも忘れさせるから

このまま時は過ぎて
その真中で陽は暮れて
あゝ今日やら昨日やらの事は忘れ
又巡り巡るが人の常

ほら

うるさいしがらみ取り払って
知らない新たを身に纏って
あの娘ら天真爛漫這高襟姫
あっちもこっちも皆々振り向く

そら

あの娘もこの娘も踊り踊るる
和洋折衷純情可憐な
天真爛漫高襟お嬢様
願はくば 憧れの
お姫様

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