あゝ五稜郭

菊の御旗(みはた)に 追われて落ちて
葵(あおい)の花は どこで咲く
あゝ 函館の 五稜郭(ごりょうかく)
望みを託す つわものに
津軽の海は 波高し

武士の面目 その名にかけて
榎本武揚(たけあき) 指揮をとる
あゝ 壮烈の 五稜郭
戦い日々に 利はなきも
屍(かばね)の上の 士気高し

国を憂いし 二つの道の
いずれが是非か 後に待つ
あゝ 白旗の 五稜郭
臥牛(がぎゅう)の山に 眼(め)をやれば
明治の空の 朝ぼらけ
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