浪花義侠伝

十九、二十才(はたち)で 河内を飛んで
意地がものいう 義侠の世界
淀の流れに 男を賭けた
買って下さい あゝ五尺の魂

「俺は生まれつきのどあ呆かも知れん
そやけど弱いものいじめはせえへんで」

渡る世間は 人情と義理の
二人三脚 ジャンジャン横丁
古い古いと 笑われながら
俺は行くのさ あゝ男の道を

「死んだ親父は“人さまのために”“ひとさまの
ために”言うとった 俺はこの文句がふるえ
るほど好きや 俺はやるでエ」

惚(ほ)れた女にゃ すまないけれど
どうせちゃぶ台 囲めぬ男
行くか走るか 弁天埠頭
熱い嵐の あゝ大阪港
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