マッチ箱のよな駅

雪の原っぱに ぽつんとひとつ
マッチ箱のよな 駅だった
学生服着て 長ぐつで
近づくポッポ汽車 待っていた
今でも木枯らし 吹く夜は
お弁当の温もり 想い出す

鬼怒川(きぬ)の流れも やがては海へ
ひざを抱えては みつめてた
男は強くて 大きくて
泣いたら駄目だと 思ってた
ほんとは俺にも 母さんに
あまえて泣きたい 日もあった

胸の原っぱに まぶたの裏に
マッチ箱のよな 駅がある
そこから全てが はじまった
「生きる」という名の この旅路
あしたを信じて やれたのも
帰れる故郷が あったから
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