雨と夜に墜ちて

何も辛くない 少し疲れただけ
ずっと笑えるほど さほど強くない

音も無く 降りしきる雨に 洗われてゆく
逢いたくて いつか旅立った 姿に

錆び付いた身体が 乾いた声で笑う 静かに
それは何かが壊れだす音
誰にも聞こえない 誰にも届かない メッセージ
何も変わることもなく巡る 世界

影を追いかける いつも届かない
昇る階段も ここで終わりだね

足下に 暗い暗い夜が 広がってゆく
踏み出せば 疲れたこの僕を 包み込む

ひとりは鳥になった ひとりは眠りついた 真夜中
同じ時代(とき)に生まれてきたのに
遠くに見える地平線 昇り始める日が やさしく
堕ちる身体を 旅立つ君を 照らす

世界のどこかでは 出会うこともない 誰かの
命、灯火が消えていく
紅く染まる土と 蒼くやさしい空は 繋がる
少し 少しばかり 悲しいね ねえ?
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