冬を待つうた

秋も終わり空気もとがってる
落ち葉の海をかすめて飛んでいく

みんな今頃南のあの街に

気がついたらここに
ひとり動けなくなって
気がついたらここで
誰にも見えなくなって

ここはじきに雪に埋もれる

このままここで
冬の女王をまち続けるのも
いいのかもしれない
それほど先ではないはずだから

会えなくなるのは
ふれられないのは
すごくさみしい

どこにゆくんだろう

旅の支度も
今更出来ないの

気がついたらここで
生きる覚悟ができてたよ
気がついたらここに
探しものもあったけれど

みんなの笑顔とあの人の幸せをおもう

氷になって春に溶けるまで
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