京のにわか雨

雨だれが ひとつぶ頬(ほほ)に
見上げれば お寺の屋根や
細い道ぬらして にわか雨がふる
私には傘もない
抱きよせる人もない
ひとりぼっち 泣きながら
さがす京都の町に
あの人の面影(おもかげ)
誰もいない心に にわか雨がふる

日が暮れて カラスが帰る
人はみな 家路を急ぐ
河岸(かわぎし)をぬらして にわか雨がふる
雨の日も鐘(かね)は鳴る
むせぶよに鐘は鳴る
指を折って かぞえながら
祈る京都の町に
あの人のしあわせ
愛をさがす心に にわか雨がふる
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